僕とパフェ

 パフェ、それは子供のドリーム。高くそびえるアイスとクリームの塔。
 子供の頃、親にねだって頼んでは結局残し、小言を言われる誘惑の実。
 大人になってから食べる機会が無くなり、おそらく一生食べることがないだろうと思っていた食べ物。
 ということで、今日は従姉妹と家族とで『貴族の森』なるレストランに行って来ました。
 僕はパスタとコーヒーを頼んだのですが、うちの妹が……
「貴族パフェ(『貴族の森』特製パフェ)食べたい」
 と、おいおいお前そのたるみきった体で甘(以下検閲)と心の中でツッコミ。
「(食事の)先ですか? 後ですか?」と分かりきった質問をするウエイトレス。おいおい、食前にパフェを食う剛の者がいるのかと……
母「食前で」
 うおーい! マザー! マイマザー!
 流石にその選択肢は僕ら(除く母)には存在しなかったため、即座に「後でお願いします!」と変更。
 母よ……アンタ熱い女だぜ…… でもそれはマジ勘弁。
 で、パスタを貪りいい感じになったあたりで運ばれてくる貴族パフェ。そいつは……
 少々大きめのパフェの上に、狂おしいほどに巨大な綿飴がもっさりと盛られたなんとも「おいおい、貴族が食すパフェってのはこれほどまでに強大なパフェなのかよ」と呟かずにはいられないほどのものでした。大体煙草の箱を五つ積み上げたほどの高さを誇っていました。流石は貴族ッッ!
 仕方が無いので四人でもそもそと周りの綿飴を消化。が、あまりにも辛い。舌が甘さのあまり麻痺するんじゃないかというほどの量の綿飴。コーヒーが辛うじて残っていたのでそれで甘みを相殺しながら、もそもそもそもそと食べ続ける。
 10分後、やっと綿飴という名の神秘のヴェールが剥がされる。
「やっとスタートだね」と従姉妹。一気にテンションが下がる。
 流石にここから先は無理なので、女衆に任せることに。甘いものは好きなほうですが、それでも限度が……
 ……その後女衆は帰り際にケーキ買っていました。恐ろしい。恐ろしい!!